ちゃんとフォローしていないのにこんなことを書くのは気が引けるのだが…。ま、「自分が何を知らないか」を確認できるかもしれないし、書いておこう。(きっと、しっかりとした突っ込みが入るだろうと期待しつつ…。というわけで。)


まるで、「セラピューティック・クローンならOK、推進すべし」という意見のように読めたのですが(私の読み違いだったら、ごめんなさい)、それはいかがなものかと思います。
その技術も結局は「未受精卵」を使い、さらには人工的にクローン胚へと誘導し、「そのまま成長すればヒトになる胚」を使うことで臓器を作製するはず。


というわけで、
1, (たぶん)不妊治療等で得られる未受精卵を使うのだろうけど、それは許されるのか。それに対し報酬を支払うような場合、臓器売買と何が違うのか。(無償で提供してもらえば問題ないのかな?しかし、精子と違って未受精卵を得るのは、身体に相当の負担を与えるはず。それを考慮すると…。)
2, そのまま成長すればヒトになるものを「材料」として使うことに問題はないのか。現在は、(たしか)「胚がいくつまで分裂する前は認める」というような基準があると思うけど、そんな線を引く資格が研究者にあるのか、
等々の問題があると思いますけどね。


前にも書いたのだけど('03/2/13とか'03/2/10)、(そこまでする必要はねぇだろう、養子って手もあるんだから、と思うけど、たとえば)不妊治療としてのクローン人間作成(望んだ子を得て、その子を愛す)よりも、セラピューピック・クローン(ヒトになるはずだった胚を材料とし、臓器を作る)の方が、よほど問題に思えます。


もちろん、それで救われる人もいるだろうけど、そのために別の「命」を軽んじていいのか、と。そしてそれは、おそらくすべての命を軽んじることにつながる、と。さらに、まさに「儲け」のために、「できること」が、次々となされてゆく、「やって良いこと、悪いこと」を問わず。それゆえ、まずは禁止して、その上で「何をやっていいのか」を、(どれほど時間が掛かろうが)を議論することは間違っていないと思います。


ま、胚以外から肝細胞を作る技術が確立されれば、問題にならないのだろうけど。


ところで、マスコミ・ジャーナリズムに関しては、『事実とは何か』(本多勝一著、bk1)あたりが私的にはお勧め。