「水よりお湯の方が早く凍る!」という実験が話題になっているらしい。ムペンバ効果…、知らなかった。
 
タイトルを見た瞬間は「またトンデモか…」と思ったのだけど、これ、現象として、あってもおかしくないですね。なにより、再現性のある実験結果らしいので、何らかの理由はあると思う。(コンタミのようなつまらない理由であっても。)
 
ポイントは、「早く冷える」でなく、「早く凍る」であること。水でスタートしたほうがより温度が低いのは間違いないのだけど、温度が低いほうが先に凍るわけじゃない。
氷が出来はじめるのは、0℃よりもだいぶ低い温度になる。この過冷却の度合いが水とお湯で違えば、こういう現象が起きても不思議じゃない。(つまり、お湯の方が高い温度、小さい過冷却で凍り始めれば。)
(そして、水が凍る際には、大きな潜熱を伴うので、温度変化よりも、この相転移の段階が現象を支配しているともいえるか。)
 
それに、冷える速度は温度差に依存するので、凍る時点での温度差は小さくなっているはずだし。
 
なにが過冷却の程度を変化させているのかは、正確な実験の条件とかがないとわからないわけだけど(っていうか、原因はわかっていないのだな)、加熱した際に溶け出したイオンとか、剥離した金属片とか、加熱により減少した水中の空気とか、そういったものが考えられるのでは。
 
ま、クラスターとかじゃないのは、明らかだけどね。(そう主張していれば、トンデモ確定。水分子同士の結合解離速度は、冷却時間に対して圧倒的に早いよ。)