4月からNHKで、『ITホワイトボックス』という番組が始まっている。
存在を知ったのはこちらのエントリーから。
 
ホワイトボックスの意は、「内部の仕組みはわからないが、とにかく使えてしまうブラックボックス」の逆で、「中で何がおきているかを理解しようよ」ということ。というわけで、ブラックボックスになりがちなIT関連の基礎的な事柄を、出演者とともに考えていく。
 
存在を知ったのが遅くて、すでに第3回までの放送は終わっていたのだけれど、再放送で第1回は見ることが出来た。
いやぁ、いろいろ面白かった。
 
第1回のテーマは、『メールはなぜ正しく届くの?』。
これを、SMTP、@、RFCの三つのキーワードから解説していた。
 
メールが届くのは、サーバーで走っているプログラムであるところのデーモンが、simple mail transfer protocol(SMTP)という共通のお約束に従ってデータをやり取りしているため。
そして@は、もともとはサーバーにアクセスしている人たちの間で使われていたメッセージのやり取りを、サーバー間のやり取りへと拡張した技術者(レイ・トムリンソン)が、サーバーを指定する文字として採用した。(それまでは用途の無い文字だったので。)

この辺までは、むっかーしUNIXなどの本を読んで知っていたが(昔、e-mailのためにtelnetを使っていた)、今まで知らなかったのはRFCについて。
 
RFCはRequest For Commentsの略で、インターネットの規格を定めている文章。なのだけど、言葉上は「ご意見募集」。
これは、インターネットの開発において、軍がスポンサーになっていたので「本当は内容を公開できない」のだが、これが世界中で使われることを見越し、ぜひとも公開して共有すべしと考えた研究者たちが、「ご意見募集」という形をとって公開していったという話だった。
 
いやー、研究者魂に感激した。
 
そしてもう一つ。そのようなわけで、現在のインターネット規格はRFC(「ご意見募集」)であり、完成品ではない。「使ってみてこうだったからこうしよう」と、日々(まさに)意見が寄せられ、RFCは変わっている。こんなに一般的に使われているe-mailであっても!
 
いやぁ、刺激的だった。これからの放送も、楽しみだ。