研究室のネットの調子が悪い。私だけ、というか、ケーブルが悪いっぽいのだけど。「自分でやって」と言われて、適当に作った(末端を)ケーブルだからなぁ。なんか、間違ったかなぁ。どうするかなぁ。
ま、それはともかく。
「他者の心は存在するか」も読まれたのですね。推薦しようと思いつつ、結局書かなかった本なので、ちょっと、びっくり。あれも、我が心の一冊です。(お気に召したがどうか、分からないけど。)
では、再び、私の感想を。
我々は他人の心を決して感じることができない。なぜ我々は「感じないモノ」を、「存在する」と信 じているのだろうか?これを出発点として「他者の心を認識する機構がいかにして進化してきた のか」を、考えていく。そしてこのアプローチにより「心」・「自己」の発生に迫る。
前半、多くのページをかけて「モデル」・「心の理論」・「顕在性」・「認知理論」・「情報意図と伝達 意図」などの概念を解説し、それを基にして生物が外部を認識する段階の進化・分類、その結 果として生まれる外部世界から切り放された自己という認識の獲得が述べられる。基本的な概 念からじっくりと積み上げていくので理解でき、ありがたい。そして思考だけではなく、チンパンジ ーや子供に対する実験を考察の基としている。とても私好みの本。