『ラブ・ケミストリー』(喜多 喜久 著、宝島社、ISBN:4796680012) 主人公は東大農学部の院生で、天然物の全合成を研究テーマとしている。彼は、化合物の構造(それが未踏の複雑なものであっても)を見るとその逆合成経路(しかもエレガントな!)が瞬時に…

『図書館戦争』(有川浩 著、メディアワークス、ISBN:4840233616) 『華氏四五一度』を、『R.O.D』を愛する人に、是非読んで頂きたい(いや、だいぶ違うから)。 さて、『空の中』で、すっかり私のお気に入りとなった有川浩の作品。新刊かと思って喜んで買っ…

『ある日、爆弾がおちてきて』 (古橋 秀之 著、電撃文庫、ISBN:4840231826) a reader meets a book、とか思ってしまった。著者と作品の双方に何の情報も持たず、店頭でなんとなく気になったから買ったのだけど、すっかり引き込まれてしまった。 これは短編…

『空の中』(有川浩 著、 メディアワークス、ISBN:4840228248) 私が読んだ中で、最高のジュブナイルの一つですね。これまでは、圧倒的に『星虫』(ISBN:4257769076)だったのだけど。 日本近海の上空2万mで、連続して航空機の事故が起こる。そこには、何が…

『ホミニッド 原人』(ロバート・J・ソウヤー 著, 内田 昌之 訳、ハヤカワ文庫、ISBN:4150115001) 『ヒューマン 人類』(ロバート・J・ソウヤー 著, 内田 昌之 訳、ハヤカワ文庫、ISBN:4150115206) 最近、『ヒューマン』の方を読んだ(『ホミニッド』の方…

『無限の天才 夭折の天才・ラマヌジャン』(ロバート・カニーゲル著、田中靖夫訳、ISBN:4875022395、bk1) bk1のすばらしい書評を読み、文庫本以外は買わないという縛りを破って購入した一冊。確かに、面白かった。(最高、というほどでもなかったのだけど……

下の続き。そういえば、日本の酒って、恐ろしいほど特殊じゃないですか。なんと、主食たる米を嗜好品として(カロリー的に)無駄にしてしまう。こんな文化は、世界中探しても存在しないはず(普通、果物だったり、主食以外の穀物だったりするんじゃないかな…

『食と文化の謎』(マーヴィン・ハリス著、板橋作美訳、ISBN:4006030460、bk1) 以前、ご推薦いただいた一冊。期待通り、実に刺激的な本だった。 様々な社会・文化を比較すると、お互いの「食べる(食べてよい)もの」と「食べない(食べてはいけない)もの…

『放浪の戦士』(茅田砂胡著、ISBN:4125002606、bk1) 『黄金の戦女神』(茅田砂胡著、ISBN:4125002657、bk1) 『白亜宮の陰影』(茅田砂胡著、ISBN:4125002762、bk1) 『空漠の王座』(茅田砂胡著、ISBN:4125002894、bk1) デルフィニア戦記の1から4巻。…

『地球から宇宙へ』(アイザック・アシモフ著、山高昭訳、ISBN:4150500223、bk1) 『時間と宇宙について』(アイザック・アシモフ著、山高昭訳、ISBN:4150500231、bk1) 『生命と非生命のあいだ』(アイザック・アシモフ著、山高昭訳、ISBN:415050024X、bk1…

そうそう、ドーバーのトンネル掘りの話があって、それは仏側で作業したという話がある。で、仏人について、「初めは『長い時間をかけてワイン飲んで飯食って、あんまり仕事をしない軟弱な民族』と思っていた」という言葉あって、やっぱ、みんなそう思うんだ…

『メタルカラーの時代 1』(山根一眞著、ISBN:4094021914、bk1) 『メタルカラーの時代 2』(山根一眞著、ISBN:4094021922、bk1) 『メタルカラーの時代 3』(山根一眞著、ISBN:4094021930、bk1) ここまでで、ハードカバー1冊分ですね。 “メタルカラー”…

『あなたの人生の物語』(テッド・チャン著、浅倉久志他訳、ISBN:4150114587、bk1) 著者、テッド・チャンの短編集。 幅広いですね。ファンタジーからハードなものまで。ところが、ファンタジーに科学技術への警鐘が入っていたりして。どれも、見事。 お気に…

『宇宙へのパスポート 2』(笹本祐一著、解説・松浦晋也、ISBN:4257036788、bk1) (当然)『宇宙へのパスポート』(ISBN:4257036494)に続く第二段。著者と、著者が所属する宇宙作家クラブの面々による、ロケットの打ち上げの取材旅行日記。だが…、第一弾…

『われらの有人宇宙船』(松浦晋也著、ISBN:4785387580、bk1) 「再利用型の宇宙船は使い捨てよりもトータルで高くなる」、「本末転倒」、「設計の思想そのものに問題がある」。すなわち、使うたびに大規模な整備が必要である、何度も使う必要があるため全体…

『視覚の文法 脳が物を見る法則』(ドナルド・D・ホフマン著、原淳子・望月弘子訳、ISBN:4314009349、bk1) 「物を見る」ということは、「目から得られた不完全な情報を元に、脳が世界を再構築する」ということ。実在と信じる世界は、私たちが作ったもの。本…

ぐ、今気付いたが、昨日のトピックスが一つ消えているじゃないか。間違って、消したようだな。では、もう一度。 だいぶ前に読み終え、既に記憶も曖昧な『脳と視覚』の感想を書いたのは、最近『視覚の文法』(ISBN:4314009349、bk1)を読んでいるからだった。…

『脳と視覚 グレゴリーの視覚心理学』(リチャード・L・グレゴリー著、ISBN:4892426644、bk1) 本書では、「視覚とはなにか」、「我々が対象を観るとき、目、神経、脳では何が起きているのか」が解説される。「光とは」、「目の構造は」、という点から始ま…

『Julie of the Wolves』(Jean Craighead George著, ISBN:0064400581) 「英語訳ではなく、原著を読みたいな」、と思っていて、どこかで薦められていた児童書を読んだ。例によって、辞書を引きつつ、なんとか。 物語は、3部構成。 アラスカのツンドラに、…

『吾輩は猫である 改版』(夏目漱石著、岩波文庫、ISBN:4003101014、bk1)これまで、読んでいなかった。 小学生の頃、祖父に買ってもらった(祖父が好きだった、たしか)のだけど、その時の感想は「冗長で、何が面白いのかわからない」だったと思う。で、途…

『量子力学と私』(朝永振一郎著、江沢洋編、ISBN:400311521X、bk1) タイトルが示すように、『科学者の自由な楽園』に比べて専門に近い内容となっている。悲しいかな、所々、フォロー出来なかった。もちろん、それでも、対象は「専門家以外」なのだが。 内…

『科学者の自由な楽園』(朝永振一郎著、江沢洋編、ISBN:4003115228、bk1) これを読んだのも、そうとう前だが。 本書は、繰り込み理論によりノーベル物理学賞を受賞した朝永振一郎による随筆や講演の記録を収録している(講演の記録の方が多い)。その内容…

『中谷宇吉郎随筆集』(樋口敬二編、岩波文庫、ISBN:4003112415、bk1) 著者の本では、以前に『科学の方法』(ISBN:4004160502)、『雪』( ISBN:4003112423)を読んでいる。本書は3冊目かな。 読み終えたのは、こちらに来てすぐだった。が、入手したのは、…

『「科学者の楽園」をつくった男』(宮田親平著、ISBN:4532190622、bk1) (だいぶ前に読み終えた本がたまってるなー。思い出しながら、書いていくか。) 理研の誕生から、終戦後の解体までの物語。そもそも、“研究”という概念自他が存在せず、“洋行は先進技…

『アイ・アム』(菅浩江著、ISBN:4396328850、bk1) ホスピス病棟の看護のために創られた円柱状の看護ロボット“ミキ”。看護に必要な技術・知識を持つミキは、同時に感情を、心を持っていた。ミキがロボットであるがゆえに、多くの患者は心を開かない。 ミキ…

『空想自然科学入門』(アイザック・アシモフ著、小尾信弥・山高昭訳、ISBN:4150500215、bk1) なんてこと。なぜ私は若いころにこの本を読まなかったのか。25年も前から(原著は40年前)存在した本なのに!そう、存在は知っていたな。口惜しい。 本書に…

書き忘れていた。『しあわせの理由』の「編・訳者あとがき」にあったのだけど、創元SF文庫で刊行予定のクローンSFアンソロジーにイーガンの、クローンと不死をあつかった作品が収録されるそうな。(ハヤカワなのに、創元の情報まで。ありがたい。)

『しあわせの理由』(グレッグ・イーガン著 山岸 真編・訳、ISBN:415011451X、bk1) 先日届いた本の一冊。私が最も脳を揺さぶられた『宇宙消失』(ISBN:4488711014)のグレッグ・イーガンの著作ゆえに、送ってもらった。 感想は…、まさに解説にもあったのだ…

ハヤカワJコレクションに、電子書籍版があることを知り、「こいつはいい。『天穹の羅針盤』( 野尻抱介著、ISBN:4152085134、bk1)はこれで買おう」とか思ったら、Zaurusが必要だった…。 っていうか、注文履歴を見たら、既に予約済みだった。結果オーライ。

というわけで、『女王と海賊 暁の天使たち 5』(茅田砂胡著、ISBN:4125008124、bk1) 暁の天使たちシリーズの5巻。4巻は『海賊王の帰還』で、キングがいいように暴れてくれたわけだけど、今回は、彼の相棒と女王がやりたい放題に暴れる。これが「見せ場」…