『脳と視覚 グレゴリーの視覚心理学』(リチャード・L・グレゴリー著、ISBN:4892426644bk1
本書では、「視覚とはなにか」、「我々が対象を観るとき、目、神経、脳では何が起きているのか」が解説される。「光とは」、「目の構造は」、という点から始まり、最後には「様々な錯視に基づき、脳内での処理」にまで迫る。相当広く、かつ必要な領域を網羅する。
それだけに、それぞれのトピックスについて深くつっこんだ本と比べると、物足りなさを感じるかも知れない。例えば、読者が実際に試せる実験も挙げてあって、それらは楽しいのだけど、そんなに比重が大きくない。
というわけで、「視覚についての全体像を知りたい」という人向きでしょうか。講義が基になっていて、実際、講義の教科書としても使われているそうで。たしかに、そういう雰囲気。