『「科学者の楽園」をつくった男』(宮田親平著、ISBN:4532190622bk1
(だいぶ前に読み終えた本がたまってるなー。思い出しながら、書いていくか。)
理研の誕生から、終戦後の解体までの物語。そもそも、“研究”という概念自他が存在せず、“洋行は先進技術の拾得のみが目的”であった時代。その頃に、基礎研究の重要性と産業への影響を知る高峰譲吉らが政財界を動かし、理研と設立となる。その第3代所長となった大河内正敏の「(当時の大学には存在しなかった)学問的に自由な雰囲気」のもと、(後には新設された東北・大阪などの各大学へ人材を送り出すストックとなるほどの)優秀な、そしてアクの強い人材が集まり、厳しく、活発に研究が行われる。
本書では、そんな研究者の面々、長岡半太郎鈴木梅太郎、本多光太郎、寺田寅彦仁科芳雄などなどにスポットを当て、日本に花開いた独創的で、素晴らしい研究活動を語る。また同時に、科学技術により国力を支える理研コンツェルンの姿も。


なんと言っても、各研究者の姿、その素晴らしい研究に魅せられる本だった。


そうそう、ちなみに。
例の、夏目漱石の話を読んだのは、この本。4月に「なぜ」と書いた直後にこの本の記述に出会い、驚いた。