話変わって。
NHKで、「世界美術館紀行」という番組を放送している(番組のサイトはないのだけど、NHKの検索結果)。木曜の深夜、金曜の夜、土曜の朝の週3回。金曜・土曜は同じ内容。木曜深夜の枠は、だいぶ前に放送されたモノの再放送なのだろう。
ある美術館の、ある作品にスポットを当て、その作者や、美術館の歴史、時代背景などを浮き彫りにする。
帰国してすぐにこの番組を知り(オルセー美術館ドガだった)、以来、チェックしている。絵を観て、いいなー、と思っているのと、懐かしさと。
今週は、ロンドン・ナショナルギャラリーで、ラファエロを救った募金箱の話だった。
ナショナルギャラリーは入館料無料で、ただし募金をお願いしている(クロークも。いちおう、毎回クロークと募金箱にそれぞれ雀の涙ほどは募金してきたよ。)。で、確かに私が行ったとき、「ラファエロを救え」というコーナーがあって、「売られようとしているから、募金をお願い」ということが書かれていた。その時は、(詳細は分からず)そんなにお金に困っているのだろうか、と思っていたのだけど、番組を観て、ようやくこれがどういう事だったのか分かった。
ナショナルギャラリーには、美術館所蔵の絵の他、貴族などが所有する絵を預けた、寄託された絵がある。で、この寄託された絵は、持ち主の経済状態の悪化などで売られてしまうことがあり、美術館はどうすることも出来ない。で、件のラファエロもそうして売られそうになったため、美術館で買い取るために募金をお願いしていたのだった。
結論として、今回、五十数億の金は、募金や国の援助で何とかなり、「ラファエロは守られた」そうだ。(美術館のコーナーでも、(私がみた)「守れ」が「守られた」に変えられていた。)
過去にも、何度もそうやって募金で絵を守ってきた、というのを知り、感動した。美術館から美術館へ移るだけなら、ガイジンたる私には関わりのないことであるが、金持ちの持ち物になって、鑑賞できなくなるとなると話は違うからねぇ。
私の愛するThe Virgin and Child with Saint Anne and Saint John the Baptistも、そうやって守られた絵の一枚だと知って、驚きと感謝を。