(唐突に)最近、不思議に思っていること。何故に、天然痘は根絶が可能であったのか。
 
ま、いろんな要素が絡んでいるのは、もちろんなわけで。「感染から発病までが短い、すなわちcarrierがあまりまき散らさない」とか、「症状が特徴的なため、感染者の発見・隔離が容易」とか、「ワクチンの生産が低コスト・大量に可能」とか、「当時の人々の関心と負担した国々の財政事情」とか、「ヒト以外の動物がcarrierとならない(ごく最近気付いた)」とか。そういう“幸運”が重なって、というのは分かるわけだが。
 
なにを不思議に思っているかというと、天然痘ウイルスのワクチンは、何故にずっと効果があったのか、天然痘ウイルスの変異は、他のウイルスに比べて遅かったのだろうか、ということ。
 
感覚的には、ウイルスなんていう変異の早い奴を根絶しようとしても、ワクチンが効きにくいタイプが増えてくるとか、毒性が弱かったり、潜伏期間が長いタイプが増えて、いずれは共存する方向に向かう様に思えるのだよな。
 
「これこれ、こういう機構ゆえに、変異が遅いんだ」とでも言われれば、納得するのだが。